2001年度
教育2000-21世紀の教育を考える

不登校やいじめによる自殺、少年犯罪など教育の荒廃が著しいと多くの方が感じています。夢と希望の21世紀を築くためにも、教育に最も力をいれなくてはなりません。
「子どもは社会の鏡」であると言われます。大人社会の反映が子どもの心に影を落としているのではないでしょうか。
また、人格を磨き上げることに教育の目的があり、今、その視点からの教育への論議が必要だと思います。
公明党は全国各地で「教育フォーラム」を開催しています。八王子においても多くの方々との対話を行いたいと思っています。
そして、政治や行政、学校、地域社会、家庭が真剣になって取り組んでいかねばならないと考えています。
●八王子 教師との教育フォーラム●
3月16日、八王子市民会館において、八王子に住む教師数十名との「教育フォーラム」を行いました。そこで多くの意見を伺いました。教育には様々な問題や考えなどがあることを改めて感じました。こういう観点で考えていかなくては、という示唆をいただきました。
以下、その一部を紹介します。

◆教育問題について、今の子どもに欠けているものは何か、という議論が必要です。今、足りないものは「公(おおやけ)」ということだと思います。具体的には他者とのつながりが薄い。他者との交流の経験が少ない。また、子ども達が直接性を失っています。その点では、体験学習は良いと思います。(高校の教師 男性)
◆教育問題は学校だけの問題ではなく、社会の問題です。別の見方をすると、子どもの問題ではなく、大人の問題として捉えていかないと解決できないと思います。(高校の教師 男性)
◆行政、学校、地域や家庭のそれぞれが、子ども達をどうするのか、という問いかけから共有していく必要があると思います。(中学校の教師 男性)
◆体験学習のような、人や自然と触れ合える機会をつくることは大変に良いことだと思います。ただ、現場の授業数が決められているので、それをどうするのかです。(小学校教諭 男性)
◆私の学校では総合的な学習を模索しています。各学年ごとに体験学習の内容が異なって組まれています。老人ホームへのボランティアや米作り、また栃木県日光へ行って地形の勉強などを行っています。(小学校の教師 女性)

◆私の保育園では人のための活動に頑張る子どもが多い。公園の草むしりなどを行いますが、皆、積極的に行っています。また、卒園した子どもが、保育園の行事にボランティで手伝ってくれます。(保育園の保母 女性)
◆学校の中でも競争原理を取り入れることが大切ではないかと思います。教育を変えるには、アメリカで行われているチャーター・スクールも考えなくてはいけないと思います。(中学校の教師 男性)
◆ いじめや不登校の原因はどの家庭にもあります。それに対して、今の社会、地域はこたえられない。同じ悩みを抱えた親同士をつなげていく、相談し合える機会や場所を設ける必要があると思います。また、地域で子ども達のための活動をしている方をたたえ、活動を補助するしくみがあれば良いと思います。(小学校の教師 男性)
◆空き教室の活用については、貸す側と借りる側の両者がメリットを受けるようにしてほしい。(小学校の教師 男性)
◆学校の設備を活用できるようにしてほしい。近くに公の施設がありません。例えば、お母さん方の悩みを聞く場所にするとか、地域の方々が話し合いできる場にするとか。(小学校の教師 女性)
■文部科学省の「21世紀教育新生プラン」とは
1月25日、文部科学省は、総理大臣の下に置かれた「教育改革国民会議」の最終報告を踏まえ、「21世紀教育新生プラン」をまとめました。69の政策課題と89の主要施策を提示しています。そして、重点政策として「レインボープラン〜7つの重要戦略」を提唱しています。
今、それらの施策は平成13年度予算案と関連法案として国会で審議されています。それが、一体どんなものかを見てみたいと思います。
●概要
教育新生プランについて科学文部大臣は「『教育改革国民会議最終報告』の提言を踏まえ、教育改革の今後の取り組みの全体像を示すもので、「学校が良くなる、教育が変わる」ための具体的な主要施策や課題及びこれらを実行するための具体的なタイムスケジュールを明らかにしたもの」としています。
今後の進め方として
<第1ステージ>
緊急に対応すべきものについては、関連法案を今国会に提出するとともに、平成13年度予算案において所要の措置を行うことにしています。
<第2ステージ>
教育基本法の見直しや教育振興基本計画の策定については、中央教育審議会に諮問し、取り組むことにしています。
そして、18歳後の奉仕活動・体験活動の促進のための仕組みなど、専門的な検討を要する事項について、平成13年度内を目途に検討をすすめることにしています。
●「レインボープラン〜7つの重要戦略」の20項目について
(1)基本的教科における20人学級、習熟度別授業の実現
◎ 「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」等の改正…少人数指導を可能とする教職員定数の改善(教科に応じて20人授業を実施)(第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画のスタート 13年度予算案 5年計画の初年度分 5,360人 223億円)
※職員一人当たりの児童生徒数を欧米並にの水準に改善(11年度 小19.3人 中16.7人 → 17年度 小18.6人 中14.6人)
→国会に法案提出
◎新学習指導要領の実施…厳選された基礎・基本の徹底、個に応じた指導の充実、体験的・問題解決的な学習の重視、総合的な学習の時間の創設、選択学習の幅の一層の拡大
→平成14年度から実施
(2)IT授業・20人授業が可能となる教室の整備
◎IT授業や20人授業等のための「新世代型学習空間」の整備
→平成13年予算案に59億円
(3)全国的な学力調査の実施
◎全国的な学力調査の実施
→3億円 平成13年度 小中、平成14年度 高校で実施
(4)奉仕・体験活動の促進
◎「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法」の改正
→国会に法案提出
◎「子どもゆめ基金」を創設し、体験活動、読書活動、スポーツ活動等の事業を行う青少年団体などに対して助成
→平成13年予算案で出資金100億円、運営費交付金20億円
◎学校教育における体験的活動等総合推進事業
→平成13年度予算案で4億円
◎青少年の「社会性」を育むための体験活動総合推進事業
→平成13年度予算案で1億円
(5)道徳教育の充実
◎平成13年度に小・中学生全員に「心のノート」を配布する
→平成13年度予算案で7億円
◎道徳教育体験活動推進事業(平成12年度〜)
→平成13年度予算案で2億円
(6)家庭・地域の教育力の再生のための取り組み
◎「社会教育法」の改正…家庭の教育力の充実のための社会教育行政における体制の整備
→国会に法案提出
◎家庭の教育力の再生…子育て学習の全国展開、家庭の教育力再生に関する調査研究
→平成13年度の予算案に4億円
◎「家庭教育手帳」(243万部)、「家庭教育ノート」(120万部)の作成・配布
→平成13年度予算案に4億円
◎地域の教育力の再生…余裕教室等を活用した「地域ふれあい交流事業」の推進
→平成13年度予算案に3億円
◎「教育の日」の制定などによる地域における教育への取り組みの推進
→地方自治体等への働きかけ
(7)文化・スポーツ活動の充実
◎学校教育における文化活動、スポーツ活動に充実…部活動わくわくプラン21
→平成13年度予算案で11億円
◎また、学校の文化部活動活性化事業
→平成13年度予算案で7億円
(8)問題を起こす子どもに対する適切な措・lt;br> ◎「学校教育法」の改正…出席停止制度についての要件の明確化及び出席停止中の児童生徒への支援措置
→国会に法案提出
(9)有害情報などから子どもを守る取り組み
◎有害環境に関する調査研究の充実…海外等における先進的事例の研究を行い、わが国における方針を検討
→平成13年度予算案
◎メディア上の有害情報についての関係業界における自主規制の促進
→放送・出版等関係業界への働きかけ
◎有害情報等から守るための法整備
→関係府省等と協力しつつ政府全体の取り組みとして検討
(10)自己評価システムの確立、学校評議員の導入など学校評価の実施
◎各学校における自己評価システムの確立
→平成13年度中に省令等における自己評価に関する規定の整備を検討
◎学校評議・ァ度の導入など開かれた学校づくりの促進
→各教委における取り組みの促進
(11)保護者の参加、情報公開による教育委員会の活性化
◎「地方教育行政の組織相談員及び運営に関する法律」の改正…保護者の参加等教育委員会の委員の構成や会議の公開に関する規定の整備
→国会に法案提出
(12)地域の主体性を生かした新しいタイプの学校の設置促進
◎今後の新しいタイプの学校の可能性や課題等について検討(コミュニティスクールの可能性の検討)
→小・中学校設置基準の策定と併せて検討
(13)優秀な教員の表彰制度と特別昇給の実施
◎優秀な教員に対する表彰制度とそれに連動した特別昇給等の実施
→平成14年度を目途に実施
(14)教員の社会体験研修の制度化(民間企業等で社会性を磨く)
◎教員の社会体験研修の大幅拡充
→平成13年度予算案に2億円、各教委における取り組みの促進
(15)不適格教員への厳格な対応(教壇に立たせない)
◎「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正、指導力が不足し十分な適格性を有しないと認める教員を教員以外の職員へ円滑に異動させるための方途の創設等
→国会に法案提出
◎不適格教員に対応する人事管理システムづくりの促進
→平成13年度予算案で1億円
(16)次代のリーダー養成のための教育・研究機能の強化
◎「学校教育法」の改正…大学への17歳入学について分野の制限を撤廃するとともに、法律上の明確化。
◎また、大学3年修了からの大学院入学を大幅に促進し、ごく普通に見られるようにするため、法律上明確化し、その一層の活用の推進
→国会に法案提出
◎プロフェッショナル・スクールの整備
→各大学における取り組みの促進
(17)大学の競争的環境の整備
◎「国立学校設置法」の改正…国立大学の講座編成の柔軟化
→国会に法案提出
◎大学教員任期制の導入進展
→各大学における取り組みの促進
→平成13年度中を目途に任期付き教員の処遇改善等について関係機関と協議しつつ検討
◎科学研究費補助金など競争的資金の拡充・間接経費制度の導入
→次期科学技術基本計画に基づき、平成17年度までに競争的資金の倍増を目指す
(18)大学における厳格な成績評価、教員の教育能力の重視
◎厳格な成績評価の実施等
→各大学における取り組みの促進
◎教員資格における教育能力の重視
→平成12年度中に大学設置基準等の改正
(19)新しい時代にふさわしい教育基本法の見直し
◎中央教育審議会に諮問する
(20)教育振興基本計画の策定
◎教育基本法見直しの中で検討していく
■東京都の「心の東京改革」とは■
東京都は子どもたちをめぐる諸問題に取り組むため、昨年8月に「心の東京改革行動プラン」を策定。さらに、同年10月には「心の東京改革推進協議会」が設立され、社会的運動の展開を目指しています。
●心の東京革命とは?
●7つの呼びかけ
●行動プラン〜35項目の具体的取り組み
●東京都の取り組み
●心の東京革命推進協議会について
「心の東京革命」とは、次代を担う子どもたちに対し、親と大人が責任をもって正義感や倫理観、思いやりの心を育み、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく取り組みのことです。
そして、「心の東京革命」が目指すものとして9点掲げています。
【子どもの育成の方向として】
(1)社会の「きまり」や人との約束を守る
(2)思いやりをもつ
(3)自らを律することができる
(4)責任感、正義感をもつ
(5)人々や社会のために役立つことに喜びを見いだす
【行動の取り組みの原則として】
6.親と大人が責任をもつ
7.社会全体で取り組んでいく
【プランの行動目標として】
8.社会の基本的ルールなどを子どもたちにきちんと教え伝えていく
9.体験・経験を通じて、子どもたちに他者とのかかわり方などを学ばせていく
そして、東京都は「心の東京革命行動プラン」を策定しました。これは、都民一人ひとりの行動指針及びそれをサポートする行政施策を明らかにしたものです。さらに、今後、「心の東京革命」を社会全体の運動として展開することを提案するものとしています。
●7つの呼びかけ
東京都は、子どもたちに教え伝えていくべき社会の基本的な「心の東京ルール〜7つの呼びかけ」を提案しています。
(1)毎日きちんとあいさつさせよう
(2)他人の子どもでも叱ろう
(3)子どもに手伝いをさせよう
(4)ねだる子どもにがまんをさせよう
(5)先人や目上の人尾を敬う心を育てよう
(6)体験の中で子どもをきたえよう
(7)子どもにその日のことを話させよう
●行動プラン〜35項目の具体的取り組み
家庭、学校、地域及び社会全体それぞれの行動主体ごとに、全35 項目の具体的な取り組み内容を掲げています。
【家庭への期待として】
(1)一日は「おはよう」で始め、「おやすみ」で終わらせよう
あいさつは子どものしつけの基本であることを認識し、親からきちんと受け応えを行い、日々のあいさつを省かずにきちんとすることを習慣づけましょう。
(2)人に迷惑をかけたときはきちんと叱ろう
人に迷惑がかかっているときなどは、たとえ小さな子どもでも、親がきちんと叱ることが大切です。善悪の区別は幼児の頃からしっかり教えましょう。
(3)他人や学校の先生が叱ってくれたら感謝の気持ちをもとう
子どもは叱られることによって、時と場所に応じたふるまいを身につけていきます。子どもが悪いことをして他人や学校の先生が叱ってくれたときに、親はまずそのことを感謝し、お礼を言いましょう。
(4)欲しいものを何でも与えずにがまんを教えよう
むやみに物を買い与えたりしないようにしましょう。物が豊かな時代ですが、あえてがまんさせることや、今持っている物を大切にすることを教えましょう。
(5)暑さ寒さに耐えさせよう
すぐに冷暖房に頼らせることなく、暑いときには汗をかいたり、寒いときには体を動かして温めるなど子どもにがまんを教えましょう。
(6)父親も乳幼児期から積極的に子どもに触れよう
母親ばかりでなく、時に父親は、意識的に子どもの手をしっかりと握ったり、肩車をしてやるなど、存在感あるスキンシップを行いましょう。
(7)家族団らんの食事をしよう
その日に幼稚園や学校などであったことで話をしたり、子どもの健康状態や変化に気をつけたり、子どもと一緒に食事をする時間を大切にしましょう。
(8)わが家のきまりや行事をもとう
テレビゲームは1 日1 時間まで、お正月の書き初めで一年の目標を書かせる、子どもたちに各自きまった手伝いをさせるなどわが家の個性あるきまりや年中行事をもち、家族の連帯感を強めましょう。
(9)親子で共通の趣味をもとう
親子の対話は日々の積み重ねです。日頃から親子のコミュニケーションを心がけましょう。
(10)子ども部屋に閉じこもらせないようにしよう
子ども部屋には鍵をかけない、日頃から親が気軽に入っていける雰囲気をつくるなど、子ども部屋を孤立させず、親子が自然に顔を合わせる家庭をつくりましょう。
(11)近所の子どもを叱れる家族づきあいをしよう
地域は子どもの大切な遊びの場であり、「叱る」ことも含めて周囲の大人の温かい配慮が必要です。親は、進んで近所どうしのつきあいを深めましょう。
(12)お年寄りをいたわることを教えよう
電車やバスの中で高齢者に席を譲る、荷物を持ってあげるなど、高齢者をいたわる気持ちを自然に行動に移せる子どもに育てましょう。
(13)自然の厳しさ、自然の美しさを肌で学ばせよう
海や山などの自然の中へ連れだし、子どもたちに自然の力を直接肌で感じ取らせましょう。
(14)子どものために親がいかに働いているかを教えよう
親は自分の働く姿を子どもに見せたり、子どものために一生懸命働いていることを教えましょう。
【学校での取り組みの視点】
(15)子どもがあいさつするよう先生から声をかけよう
先生が自ら行動で示し、お互いが自然にあいさつするような学校環境を醸成しましょう。
(16)叱るべき時はきちんと叱ろう
子どもに毅然とした態度を示し、先生への信頼や尊敬を高めるためにも、叱るべときにはきちんと叱りましょう。
(17)しつけは本来家庭の責任であることを親に伝えよう
学校はしつけ教育の手助けをすることはできますが、本来のしつけの場は家庭であることを子どもの親にきちんと伝えましょう。
(18)チームワークの中で競争と協力を学ばせよう
生徒会や文化祭など学校の中での活動や行事を通して自ら進んで行動を起こすことや意見の対立を解決すること、仲間どうしで連携することなどの大切さを学ばせましょう。
(19)奉仕活動を通して人に喜ばれる経験をさせよう
老人ホームの手伝いや公園の清掃などの奉仕活動を通して、社会に貢献する気持ちを育みましょう。
(20)仕事の体験を通して働くことの尊さを学ばせよう
小学生の頃から家庭や学校では体験できない仕事の大変さを学ばせ、働くことへの興味をもたせるなど豊かな社会性を育みましょう。
(21)動物や植物の世話をさせ、命の尊さを学ばせよう
動物を飼育したり、植物を育てるなど生き物の世話をすることによって、命を大切にする心や生き物を慈しむ心が育ちます。子どもたちが、責任をもって動植物の世話ができるような機会を与えましょう。
(22)学校を地域の人と子どもがふれあえる舞台にしよう
学校を舞台として大人と子どもとのふれあいの場を広げ、「地域の学校」という意識を醸成していきましょう。
(23)豊かな経験をもつ人や個性ある人材を講師として招こう
子どもたちに地域の良さや特性を知ってもらうために、地域等で活躍する人材を講師として招きましょう。
【地域への期待として】
(24)地域や近所の大人から子どもたちに声をかけよう
「子どもは、社会の宝」です。地域で顔の見える関係を築き、子どもたちを地域の子として、時には叱るなど、ともに育んでいきましょう。
(25)地域の歴史、文化を大切にする心を育てよう
先人を敬い、地域の歴史、文化を大切にし、まちを愛する心を育てましょう。
(26)子どもたちと一緒にまちをきれいにしよう
美化運動などまちのために貢献する運動を通して、自分たちの地域を愛する気持ちやマナーを大切にする心を育てましょう。
(27)まちの行事に子どもたちを積極的に参加させよう
行事の準備段階から参加させ、共同作業を通して、人とのつきあい方を身につけさせましょう。
(28)群れ遊びを復活させよう
テレビゲームなどの一人遊びが多くなった子どもたちに、地域のイベントなどで群れ遊びを経験させましょう。
(29)身近な地域で子どもたちの体験学習に協力しよう
地域の商店、企業、農家などで、積極的に子どもたちを受け入れ、社会の最前線の働く現場を子どもたちに体験させましょう。
(30)お年寄りから子どもたちに知恵や経験を伝える場をつくろう
高齢者は、地域の催し物や近所の学校や保育園、児童館の行事などで、進んで子どもたちとふれあい、豊かな知恵や経験を子どもたちに伝えましょう。
(31)近所どうしで子育ての「こつ」を教え合おう
近所の子育て経験者の知恵や「こつ」を教え合って地域で子育てを支えましょう。
【社会全体での取り組みとして】
(32)「ありがとう」や「ごめんなさい」を自然に交わそう
乗り物の中や見知らぬ者どうしが集う街の中でも、「ありがとう」や「ごめんなさい」などのあいさつが自然に飛び交う、ゆとりある心を育んでいきましょう。
(33)迷惑行為を勇気をもって注意しよう
人中で大声で携帯電話をかけない、ポイ捨てをしない、路上でむやみにツバをはかないなど、公共の場でのマナーの徹底を呼びかけましょう。
(34)有害情報を子どもの目にふれないようにしよう
マスコミが子どもたちに有害情報を流さないようにするとともに、有害図書を区分販売するなど社会全体で子どもたちの目にふれないしくみをつくりましょう。
(35)子どもの育成に企業も貢献しよう
企業において、スポーツ大会等、親子が参加できる行事を運営し、ボランティア休暇制度をはじめ、従業員が地域活動へ参加しやすい環境を整えるなど、子どもの育成に貢献していきましょう。
●東京都の取り組み
東京都は、「家庭」「学校」「地域」「社会全体」が進める取り組みに対し、側面からサポートするために、47 事業を平成12 年度からおおむね3 か年の間、展開していくことになります。
【主な事業】
◆「子ども家庭支援センター」の設置促進
地域の保育所情報や子育て支援機関のイラストマップを入れた「子育て支援情報データベース」を福祉局のホームページにて運営、公開する。
◆インターネットを活用した子ども家庭支援の推進
区市町村が、「子ども家庭支援センター」などで、インターネットを活用して、相談活動、子どもや家庭に関するサービス等の情報提供、関係機関等のネットワークづくりに取り組むことを支援する。
◆「心の東京革命」推進モデル地域
都内の小中高等学校に呼びかけ、「心の東京革命」推進モデル地域を設定して、域内の学校と地域の連携事業を推進し、その取組や成果の発表、活動報告集の作成などを行う。
◆「道徳授業地区公開講座」の実施
都内全公立小・中学校で都民(保護者や地域住民)が授業を参観し、「心の教育」について共に話し合う「道徳授業地区公開講座」を展開する。
◆「世界の中の日本人としてのアイデンティティ教育」の実施
家庭や地域社会と共に心の教育を進める中で、地域の文化・伝統に誇りをもつ心を育むとともに、外国語教育など国際社会に生きる人材を育成する教育を実施するため、体験発表会や子どもシンポジウムを実施する。
◆「トライ&チャレンジキャンペーン」の実施
豊かな人間関係を育てあうことをねらいとして都内の小・中学生を中心に、職場体験や奉仕活動、地域活動などの様々な体験活動を行う。また、そのなかから学んだことについての体験発表会や、教育・スポーツ・経済などの各分野で活躍する人を招いたシンポジウムなどを実施する。
◆「体験的学習の実践メニュー」の作成・配布
体験的な学習の実践メニューを作成し、都内公立小・中学校及び都立学校へ配布することにより、「総合的な学習の時間」や特別活動において、ボランティア活動や生産活動、職場体験などの体験的な学習を実施するよう支援していく。
◆「学校運営連絡協議会」の設置拡大
学校が保護者や地域住民の意見を取り入れ、学校運営や教育活動に反映させていく「学校運営連絡協議会」を設置・拡大し、都立学校全校で実施する。さらに、区市町村立学校での導入に向けて、その成果を区市町村教育委員会に提供していく。
◆「まちの子育成事業」の充実
子どもを「社会の子」としてとらえ、完全学校週5 日制の実施等を踏まえ、区市町村と連携して地域の大人たちが高齢者とのふれあいによる「昔遊びの伝承」や「私のまち探検」などを企画し、地域社会が子どもたちを育成する活動を支援する。
◆「家族ふれあいの日(仮称)」(第3 土曜日)の設定
毎月第3 土曜日を「家族ふれあいの日(仮称)」とし、家族そろっての食事など家庭でのふれあいを促進するキャンペーンを行う。また、飲食業界へ割引サービスを依頼するなど環境づくりを行う。
◆「トライ&チャレンジふれあい月間」
「トライ&チャレンジキャンペーン」と「とうきょう親子ふれあいキャンペーン」を一体的に開催することで「心の東京革命」の推進に向け、社会全体への働きかけを行う。
◆都庁内「心の東京革命」推進に係る率先行動
庁内におけるあいさつ・声かけ運動の実施、地域活動への参加の促進(1年1 日ボランティア活動)、都庁職場を活用した子どもたちの職業体験の受入れなど、一事業者として都庁における「心の東京革命」推進運動を庁内に推進組織などを設置し率先して実践していく。
●心の東京革命推進協議会について
東京都は、平成12年8月に「心の東京革命行動プラン」を策定し、家庭、学校、地域、そして社会全体がそれぞれどのように取り組んでいくかを明らかにしました。
そして、今後は各界、各層の団体、企業などが幅広く参加してそれぞれの地域で横の連携を強固なものとし、いわば、東京全体が動き出す社会的運動を展開していくために、同年10月18日に、「心の東京革命推進協議会」が設立されました。
教育界をはじめ、各分野の方々によって構成されています。
このように東京都は、「心の東京革命推進協議会」を中心として、家庭、学校、地域などあらゆる場で「心の東京革命」の具体的な展開を推進していくことにしています。

●八王子 高校生との教育ファーラム●
2月9日、八王子教育フォーラムを八王子市民会館会議室で開催。「高校生stage」と銘打ち、八王子に住む男女高校生数十名を招いて行いました。
集会では「○△×」のプラカードを用いて、賛否を表明して意見を述べ合いました。
初めは緊張していましたが、好きな教師・嫌いな教師、学校への不満、奉仕活動の義務化、いじめ、不登校、17歳の犯罪、道徳教育など、次々と意見が寄せられました。希望溢れるフォーラムになりました。
21世紀を担う若い人達の声を、誰よりも大切に、都政に生かしていきます。
以下、その一部を紹介します。
<好きな先生>
◆生徒に対してよく声をかけてくれる先生。(女子)
◆担任の先生が好き。浪花節調で生徒の気持ちを分かってくれる。何事にも熱く取り組んでいる先生。(男子)
◆おもしろく、授業が楽しい先生。(女子)
<嫌いな先生>
◆暴力を振う先生。成績が良くない生徒を何人か呼び出し、やる気を出させると言って暴力を振った。そんな事をしても良くならない。(男子)
◆生徒の意見を聞かずに、自分の思いを通す先生。(男子)
◆進路相談で大学進学について話しをしたところ、授業やホームルームでその大学の悪口を言い始めた。腹が立つ。生徒の気持ちをないがしろにされた。大学に偏見をもつ先生は嫌いだ。(女子)
◆授業がうるさいと、長い時間をかけて説教する先生。真面目に勉強している人達には迷惑で、授業をちゃんと進めてほしい。(女子)
◆既に理解している内容を、かえって難しく授業する先生。教え方が悪いと思う。その先生の授業の時だけ、皆、別の勉強をしている。(男子)
<学校への不満>
◆工業系の学校に通っているので、教師免許をもっていない専門の方が教えにくる。しかし、生徒の理解度を無視して一方的に進める。理解できない場合は生徒の責任にする。教え方を心得ている人に授業を行ってほしい。(男子)
◆国立の高校ですが、財政が厳しいためか、古いものを新しくできず不便なところが多い。インターネットも自由にできなくなった。その学校の特色が気に入って入学したのに、それができなくなっている。(男子)
◆今年から財政が厳しいためか、英語の授業を担当していた外国の先生が解雇された。外国の方は日本の先生と比較して英語能力が高い。ネイティブな先生に英語を教えてほしい。(男子)
◆高齢の先生が多く、英語など、今の状況についていっていない。(男子)

<ボランティアについて>
◆学校にボランティア委員会がある。その呼びかけで、先日は、インドの大地震の募金活動をした。(女子)
◆団地での空き缶回収をしている。(男子)
◆学校の部活にボランティア部がある。そのメンバーで近くの老人ホームでお手伝いをした。(男子)
◆ボランティアを自分からやろうとは思わないが、誘いを受けたら快く行う。(男子)
◆ボランティアは善意を養うと思う。学校には不真面目な生徒も多く、その人達がボランティアの経験をした方が良いと思う。(女子)
◆ボランティアを授業で強制的に行うことには反対。自主的に行う方が良い。自分がやっているという充実感がある。(男子)
◆授業中、おしゃべりばかりする自分勝手な人が多い。自分のことしか考えないのは良くない。1回ぐらいは授業でボランティアを行い、他人を思う経験をした方が良い。(女子)
◆ボランティアは授業で行うのではなく、学校などで企画し生徒が自主的に参加できる形態が良い。(女子)
◆ボランティアには興味がない。学校の近くに医療センターがあり、バスの乗降時に車イスの方を手伝っていた。ある日、手伝うのが当然だ、という傲慢な方に出会った。それ以来、ボランティアについては関心がない。(男子)
◆夏休みの宿題にボランティアがある。保育での保母さんの手伝い、老人ホームでの手伝い、子どもの世話とか色々。義務になるかもしれないが、選択の幅があれば良いと思う。(女子)
<体験学習について>
◆賛成です。今、行ってほしいぐらい。アルバイトと異なって、様々な体験が選べるから良いと思う。(男子)
◆体験学習は、自分がイメージしていたものと違い得るものがあると思う。実際に経験してみたい。(女子)
◆良いとは思うが、体験学習の行き先がない人、将来の方向性が決まっていない人には、体験学習の意味がない。(男子)
<17歳の犯罪について>
◆その人の問題であり、17歳全体の問題ではない。また、お金欲しさに犯罪を犯すことなど、昔からあることだ。今の時代だけを強調しすぎる。
◆ 中3ぐらいから考えてきた問題。最近の子どもはテレビを良く見る。本を読んで考えることをしない。ドラマやバラエティ番組の影響を受け、テレビと感覚が一緒になっている。TVの情報は多い。しかし、自分が考えているのではなく、見せられたものを脳に受け入れる。だから感覚的になり、言葉の種類も少なく、皆んな同じ言葉を使う。言いたいことがあっても、感覚的だから、仮に議論の場を設けても言えない人が増えている。頭もぼんやりとしている。
◆17歳の犯罪はマスコミがくくっているだけかもしれない。しかし、動機がない殺人は狂っていると思う。(男子)
◆ バトル・ロワイヤルが話題になっている。友人から進められて本を読んだ。殺し合いの内容にビックリした。先日、電車に乗っていたら、バトル・ロワイヤルをやりてー、という高校生がいた。また、友達との会話の中で、人を殺すこともいいんじゃない、ということもある。常識が崩れていると思う。(女子)
◆最近は道徳の授業がない。国語の授業も少なくなっている。本離れをして考えることが少なくなっている。だから、こういうことをしたら、どのような結果になるのかが考えられなくなっている。やってみたいなーという好奇心だけで、人を殺してしますのではないか。(女子)
<道徳授業について>
◆小学校・中学校での道徳授業は本を読むだけ。それでは意味がない。人間性を高めるための授業をしなかった。小中学校でできないことを、高校になればできるのかどうか疑問である。(男子)
◆小学校の時の道徳はつまらなくて、与えられた本を読み、テレビを見るだけ。それでは意味がない。(男子)
◆高校には倫理がある。それは高校生でないと理解しえない授業。考え方に良い影響を与えるので必要だと思う。(男子)
◆道徳とは本を読むことなのでしょうか?私の担任は良い先生で、ホームルームは浪花節調で1時間トークを行う。道徳授業とは違いますが、その時間で人間性について勉強をしていると思う。(男子)

●東京 高校生との教育ファーラム●
1月6日、公明党教育改革推進本部が東京・新宿区の日本青年館で、21世紀の教育を語るフォーラム「若い世代との教育対話」を開催。男女高校生約50人を招いていて、教育改革国民会議(首相直属の諮問機関)の提案に対する質疑と意見交換を行いました。(公明新聞から)
<学校での道徳教育>
◆中学のロングホームルームの時間にテキストを読んだ。読んでいる人は真面目で善悪の判断基準がついていて、本当に必要な人は読んでいなかった。意味がない。(男子)
◆善悪などを考える力を養う時間は必要。(男子)
◆小・中学校にあったが、教科書を読むだけで、あとは自由時間。それだけならあまり意味がないのでは。(女子)
◆良い先生であれば、生徒とのかかわりの中で道徳を教えられるはず。あえて授業を持つ必要がない。(男子)
◆哲学者の思想を学ぶ倫理の時間がある。私は好きだが、だいたいの人は寝ていた。(女子)
◆少年犯罪が多発しているし、価値観や倫理観が重視されるべきだ。親も学校も力不足だとは思うが、やっていくほうが望ましい。学校の使命だと思う。(男子)
◆道徳の時間はあったほうがいいが、先生の考えを押し付けるのではなく、社会に出ている大人の人が出てくれれば、自分に照らし合わせられる話が聞けると思う。(女子)
<奉仕活動>
◆やる意思のない人間まで参加したら、真面目にやっている人に迷惑がかかる。(男子)
◆介護を受けている人の側も意思のない人にされても、うれしくない。希望する人にはやる機会を増やせばいいので、義務化はなくしては。(女子)
◆違う立場の人間が出会えば刺激になるし、やってみて感謝されたらまた違う反応も出てくると思う。少しずつ義務化すればいい。(男子)
◆義務化になると必ずさぼる人も出てくる。良い先生がいる学校ならやってもいい。(男子)
◆希望者だけで、老人ホームでボランティアをした時の思い出が心に残っている。やって良かった。しかし、内申書の評価を上げるためだけに点数稼ぎでやる人もいたので、義務化には反対。(女子)
◆母の足が不自由で、現実の厳しさを感じているだけに、障害があっても一生懸命生きている人とかかわっていくのは重要。大切な経験になると思う。(男子)
<親の教育・しつけ>
◆しつけという言葉の意味がわからない。(男子)
◆言葉でというよりも親の行動を見て学んだ。(女子)
◆あいさつなど基本的なことを態度で教えられていたので、自然に身に付いた。(女子)
◆人種差別はいけないと教えるのではなく、道で外国人と会っても自然に会話している姿を見せられてきた。「しつけ」というのではなく、もっと違う言葉はないかなあと思う。(女子)
◆子どもは親の背を見て育つので、親がしっかり正しいことをしていれば、それだけでいい。(男子)
◆「何はともあれ、手を出すなよ」と親から言われたことを肝に銘じている。いじめたこともいじめられた経験もあるが、親になったら自分の子どもにもそれだけはきちんと教えたい。(男子)
<問題児への対応>
◆問題を起こす子は、自分は一人だと思っていることが多い。出席停止にしたら、ますます自分は独りぼっちだと思って、犯罪などにつながると思う。自分の周りには多くの人がいると分からせてあげたほうがいいのでは。(男子)
◆出席停止などの措置をとることのほうが「問題を起こす子どもへの教育をあいまいにしない」(教育改革国民会議の提言)の「あいまいする」にあたると思う。そうした措置をとるより、とことん付き合うことのほうが本当の教育だ。(女子)
◆問題を起こす子は彼らなりの心の叫びがあってやっていることだと思う。出席停止よりも気持ちを聞いてあげてほしい。(女子)
◆勉強がついていけなくて学校に来なくなった子がいたが、熱心な先生が専門学校やさまざまな学び方もあることを教えていたので、今は一生懸命頑張っている。(女子)
<尊敬できる教師>
◆文化祭の準備を夜遅くまで手伝ってくれたり、積極的で一人のことを考えてくれる先生。(男子)
◆大学入試や部活動のことを相談すると、自分の高校時代の体験を話してくれる先生。(男子)
◆仕事で遅くなって急いで学校に行くと、「あまり急ぐと、事故を起こしたりして危ないぞ」と言ってくれたり、生徒の側に立って物事を考えてくれる先生。(女子・定時制)
<分かりやすい授業・分かりにくい授業>
◆黒板の方ばかり向いているのではなく、雑談も交えながら、生徒との対話を通して教えてくれる授業がいい。(女子)
◆日常生活の具体的な事例を交えて、生徒たちの興味がわくように教えてくれる授業をやってくれる先生がいる。(男子)
◆有名大学を卒業し外国留学もしているのに、授業を聞いているのは前の方の三〜四人くらい。教室の後ろの方ではトランプをしたり、おしゃべりをしているのに、先生は一回も注意しない。(女子)
◆先生の字が下手なので、黒板に書いた文章が読めない。よく漢字も間違えるし、教科書の漢字が読めないこともあった。(女子)
◆授業の進め方にノルマがあるらしく、生徒の理解度を無視して授業をどんどん進めてしまう。(男子)
<17歳の犯罪>
◆中学二年のころ、反抗期で暴れていた。今、振り返ると、"普通の子"というのは、取りえもなく、友達も少ない。だから、「何も考えたくない」となり、「壊してしまえ」という破壊の気持ちが起きていた。(男子)
◆マスコミは、「問題の根幹は何か」をもっと見詰めてほしい。なぜ、少年がそうなってしまったのかを深く冷静に追求してほしい。(男子)
◆マスコミは「十七歳の犯罪」などと言うが、良いことをしている十七歳もたくさんいる。犯罪を犯した十七歳ばかりをニュースにするのでなく、良いことをしている十七歳のことも伝えてほしい。(女子)
◆マスコミは、視聴率や売上げばかりでなく、真実を伝えてほしい。(男子)
◆家族のコミュニケーションが少なくなり、家に帰らない高校生が増えている。今は「テレビを見て育つ」時代になっているのだから、テレビは真実を伝えてほしい。(女子)
◆テレビのワイドショーでは、一人の人を攻撃して悪口を言い、悪口を言う人が良いように報道している。それが僕たちに影響し、「友達の悪口を言ってもいいんだ」となって、いじめ問題などの根源になっているのではないか。(男子)
<その他>
◆少年犯罪が起きると少年法が改正され、教育問題が起きると教育制度が改革されるが、システムが人を変えるのでなく、人が人を変えるのだと思う。表面的な目先のことだけにとらわれず、僕たちが草の根の対話を進めていけば必ず変わっていくと思う。(男子)
◆勉強も大事だが、道徳などの教育も大事であり、そういうものも教えてほしい。大学に合格し就職しても、最近はリストラも多く、将来に希望が持てない。善悪の見分け方だけでなく、夢を持てる教育が必要だと思う。(男子)
◆私は、中学三年の時に不登校になった経験がある。その受け皿的な学校としてサポート校があるが、国に認可されていないために、経営目的で開いたものもあり、私もそれに引っ掛かってしまった。不登校の子どもたちの受け皿になるような学校をたくさんつくってほしい。(女子)
●大阪 大学生・専門学校生との教育ファーラム●
1月7日、大阪市内で「教育フォーラム」が開催。参加した大学生・専門学校生から色々な意見がありました。(公明新聞から)

<教育現場への徹底した競争原理の導入>
◆日本の大学に厳格(げんかく)な競争原理を導入できない背景として、脱落した人間に対する社会の厳しい目がある。米国では個人主義が徹底しているので学生が留年しようが、教授が退任しようが、個人の生き方であると見る。ところが、日本では、いったん脱落すると人間全体の評価にすぐつながる風土がある。その意味で厳格な競争原理の導入は、果たしていいのか疑問だ。(男性)
◆教育の場に限らず、日本の社会システムが、順序を踏(ふ)んで上にあがっていく形になっていて、柔軟性がない。一度、ラインから落ちるとリセットがきかないシステムとなっている。競争原理の導入には、例えば会社をリタイヤした人が新たな教育を受け再び会社に復帰するというような、柔軟性のある社会を構築する必要がある。(女性)
◆語学留学で一年間、中国・上海の大学に留学していたが、アメリカをはじめ各国の留学生と一緒に学ぶ中で、多くの学問的刺激(しげき)を受けた。日本の大学でも多くの留学生を受け入れてはいるが、生活の場が一般の学生と違う所に置かれていて交流の場が少ない。もっと交流を活発化させることで、国内だけでなく他国の人とも競争していかなければならないという競争原理が浸透(しんとう)していくものと思う。(男性)
<ボランティア教育の義務化>
◆国際ボランティアプロジェクトに参加し、異文化に対する理解も進んだ。授業や就職活動の一環(いっかん)として義務的に介護などを体験する友人もいるが、かえって受け入れ先の施設に迷惑(めいわく)をかける場合も多いと聞く。人のために奉仕することが本当に楽しいということを経験するのが大事であり、上からの命令による義務化は、ボランティアの意味を変質させ、引いては教育の崩壊(ほうかい)に通じるのではないか。(女性)
◆二部大学にボランティアサークルをつくり、障害者施設に毎週出掛けている。働きながら学び、さらにボランティア活動をするというのは大変だが、本当に充実している。これも前向きに取り組んでいるからで、義務化はボランティアにそぐわないと思う。(男性)
◆ボランティア活動に参加したいという人は多い。義務化するよりも、ボランティア募集などの情報をキャンパスやインターネット上でもっと積極的に公開すべきだし、こうした動きを政府も支援すべきだ。(女性)
<大学の授業改革>
◆在日外国人労働者問題の研究のため、市民団体やコリアタウンを訪れ、関係者から意見を聞く機会があった。このフィールドワーク(実地研究)で、大学の校舎内では学べない新しい視点を得ることができたし、足を使って学ぶことがいかに大事かを体験できた。社会や地域から大学の場に刺激(しげき)を与えるシステムが必要だと思う。(男性)
◆何のために勉強しているのか、目的観が明確でないのは問題だが、大学のシステムでも改革できるところがあるのではないか。例えば、国公立・私立の枠(わく)を取り払い、優(すぐ)れた教授の授業に参加できるようにしたり、資格試験取得者へ単位を与えることも考えられる。(男性)
◆小・中・高・大と決められたカリキュラムの中で勉強しているため、疑問を持つ機会が少なくなっている。既存の学問に対し、疑問を喚起(かんき)するような自由な学びの場を設(もう)けるべきと思う。(女性)
◆大教室での講義では、教授、学生双方間の触発(しょくはつ)がない。大学一年の一般教養課程から、小単位での講義を導入してはどうか。(男性)
<二部大学(夜間)の存在意義>
◆授業に出席すると、二まわりも違う年齢の人が教室の前列に陣取り一生懸命勉強している。その姿に接し、私自身、学問への意欲が沸(わ)くし、苦労している人がいかに多いかを実感することもできる。こうした二部大学は、絶対に残していくべきと思う。(女性)
◆ 米国では、学歴がないと会社でよいポジションがもらえないことから、そういう人たちの敗者復活のため、安価で誰(だれ)でも学べ准学士が取れるコミュニティカレッジ制度がある。日本にはそういう制度はないが、会社を辞(や)めて、技術や知識を習得し再び就職しようとする人は増えている。こうした動きに対応できるのが二部の大学だと思う。授業料は半額だし、昼の大学と同じように学ぶこともできる。キャリアアップしなければ働き場がない時代だけに、二部大学を活用する制度を政府も考えるべきだ。(女性)
<その他>
◆近年、昼夜開校制度の導入で、昼学ぶのか、夜学ぶのか自由に選択できるようになった。しかし、授業料は昼の大学並に高くなった。これでは、働きながら学ぶしかない私たちにとって、学びの門戸(もんこ)が閉ざされつつあると実感せざるを得ない。(男性)
◆ 大学祭の時、大学教育について七十人の教授にインタビューをしたが、多くが学生との活発な討論による触(ふ)れ合いを望んでいた。一方で、大学理事者側へ声が届かないとの不満も漏(も)らしていた。大学側、教授、学生の三者の意思疎通(そつう)を図ることが、改革にとって重要と感じた。(女性)
●神奈川 20代青年・教師との教育ファーラム●
1月8日、神奈川横浜市内で「教育フォーラム」が開催。約50人の20代青年・教師から活発な意見が寄せらました。(公明新聞から)

<教育改革国民会議の提言に対して>
◆今回の提言には、リーダー輩出偏重主義のようなものを感じる。逆に、初等教育への視点が弱い。また、家庭教育の復権をいうなら、崩壊している家庭も多い実情を踏まえ、地域コミュニティーによる教育力の向上を真剣に考えてほしい。(男性)
◆ 改革に当たっては、教育の本来の意義を考え、公権力からもっと独立すべきでは。一番、教師自体が変わらなければいけないのに、提言ではその点が非常に弱い。教師にも競争原理を導入したり、免許取得制や更新制を設けたり、社会体験を積んでから教育に当たらせるなどしてはどうか。(男性)
◆マイノリティー(少数派)の側の視点と国際人の視点が欠けていると思う。『日本人』としての自覚、人間性豊かな『日本人』の育成などがうたわれているが、『国際人』の視点がない。留学生や就学生、在日外国人への教育や、彼らとともに生きていく方法などにも配慮すべき。(男性)
<社会教育の重要性>
◆テレビで特定の人間をバッシング(たたく、攻撃する)して喜んでいたり、悪質な週刊誌や電車の中づり広告などが氾濫(はんらん)している。こうした子どもたちにとっての有害情報を野放しにしている社会そのものが、いじめを助長しているのではないか。(男性)
◆保母をしているので、絵本の読み聞かせが子どもにも親にも有益だと実感している。また自然体験の重要性も。それらが積極的に進められるように公的支援をお願いしたい。(女性)
◆大人の教育の必要性を感じている。教育には「教えて育てる」という面と、「教わって育つ」という面との両面があると思う。大人への教育、生涯教育に対する具体的な施策を公明党にこそ示してほしい。(男性)
◆完全週休二日制になることと、総合学習の充実という流れを踏まえ、地域の教育力の向上は不可欠。(女性)
◆フリースクールを卒業した子どもたちが何らかの差別を受けることなく、活躍できる社会にしていくべきだ。(男性)
◆私の勤めるフリースクールには、人間不信、学校不信、教師不信に陥(おちい)って入ってくる子が多い。彼らの受け皿となる地域密着型のコミュニティースクールなど新しいタイプの多様な学校を増やしてほしい。(男性)
◆自分が大事にされなかった人間は他人を大切にできず、自殺するか罪を犯す傾向があるという。親、教師、地域社会のトライアングルで子どもたちを育(はぐく)む社会に変える必要がある。(男性)
◆地域の教育力を向上させるためには、都市計画にまでさかのぼって、住民が教育の充実度を判断して住む都市を選択できるようにしては。将来的には、教育の民営化も検討を。(男性)
<奉仕活動>
◆完全週休二日制になることで、親が塾に行かせることばかり考えがちなので、むしろ奉仕活動の時間に充ててはどうか。(女性)
◆初めは嫌々であったとしても、心の変化は生じるもの。より小さいころから何らかの形で自分が他人の役に立っているという体験を積ませていくことには意義がある。(女性)
◆名称は重要なもの。人に奉仕するというのは内発的なものでなければ。奉仕活動ではなく、体験学習、体験教育などの延長上に奉仕の心もわいてくるのでないか。(男性)
◆奉仕活動では復古調。お年寄りと全く触れ合うことなく自分が年寄りになっていくような時代だけに、体験学習的な要素が大切になってくる。(男性)
◆奉仕活動を体験してみて、大変なことだなと実感するだけでも意味はあるので、義務化をした方がよいのでは。(女性)
◆小学校で二週間とあるが、地域によっては難しい。場の設定については、学校の裁量を重視しながらも、行政からの情報提供をしてほしい。(女性)
◆奉仕活動の義務化も、教育を受けるのは権利であっても義務教育があることと同じではないか。むしろ、単なる義務や強制にしないためには、何のために学ぶのか、何のために学校に行くのかなどをきちんと伝えていくことが大事だと思う。(男性)
<道徳教育>
◆道徳教育というよりも、大人の態度、生き方から自然に示すのがよい。(女性)
◆子どもたちが学校にいる時間が長いので、道徳を家庭で教えても、学校でそれを共有できないのではないかという心配がある。(男性)
<教師をめぐる諸問題>
◆教師をしていて実感するのは、問題を起こす子どもたちを取り巻く環境には複雑なものがあるということ。現状では、一人の担任だけでクラスの子全員を十分に見ていくのは難しいので、少人数学級の早期実現をお願いしたい。(男性)
◆現場の教師の忙しさには相等なものがある。アメリカのように事務的な部分をサポート(手助け)してくれるスタッフがいてくれると、より細かく子どもたちと接することができる。(女性)
◆本当に教師になりたいと情熱を燃やしている若手が教員になりやすい採用制度にしてほしい。(女性)
◆教師の影響は非常に大きいので、わが子を安心して託せる教師を選びたい。入学前に教師の人柄や実績を知り判断できる制度が導入できないか。(男性)さんつくってほしい。(女子)

●岩手 親・教師・大学生との教育ファーラム●
1月21日、岩手県盛岡市内で「教育フォーラム」が開催。子育て中の親や教師、大学生の方々から活発な発言が相次ぎました。(公明新聞から)
<学校の教育現場から>
◆中学校の生徒はすごく多感でいろいろと悩みを抱えている。不登校の生徒に対しても手を打てば解決出来る時もある(中学校で講師を経験した女性)
◆大きな行事があれば放課後の時間を使って準備する。その中で、子どもと一対一で話し合える時間が取れないのが実態だ。教育のカリキュラムを抜本的に見直し、授業以外でもコミュニケーションが取れるようにしてほしい。(小学校の教員・男性)
◆教師は、担任に加えクラブの顧問、事務的なことなど仕事の量が多く時間的にも精神的にも余裕のない状況となっている。(中学校教員経験の女性)
◆ 今、教師が一番困っていることは、生徒と教師との意識や価値観のずれが広がっていることだ。先生が、「子どもは、こうあるべきだ」ということが通用しない。自分本位で判断する。悪い意味では自己中心主義になっている。それは大人自身が自己中心になり、個別化して正義などということが通用しない社会になったことが反映している。今後は、学校だけではなく親、地域、行政も含めた形で学校教育を進めていくべきだ。(中学校の教師・男性)
◆来年から小学校の教員が定員増となるが、中学校の教員も増員してほしい。また、教育長や学校長にリーダーシップのある民間人を積極的に登用し、魅力ある教育を推進すべきだ。(中学校の教師・男性)
◆幼稚園の先生や小中学校の先生が、同じ学校区の一人ひとりの子どもに光を当てた形で話し合う連絡会議が必要ではないか。事務的な連絡会議ではなく、もっと深い意味で話し合う場をつくってほしい。(教員志望の男子学生)
<家庭での子育て方法と幼児教育の在り方>
◆小学三年生と幼稚園に通う女の子の父親だが、常日頃、心掛けているのは抱(だ)きしめてあげたり、ひげ面をジョリジョリしてあげている。これが結構うけている。学校から帰って来た時、子どもの表情を見て声をかける。しょんぼりしている時は無理に聞き出さない。様子をみて言葉をかけてあげている。(子育て中の男性)
◆人との関わり方や相手に迷惑をかけないこと。朝起きたら「おはよう」という。また、「ありがとう」「ごめんなさい」と言えるような基本的な生活習慣を家庭の中できちっと教えていく。親子が一緒になって感情のやり繰(く)りをうまくしながら、ムカついてもキレない生活経験を親が意識して身につけさせることが大事だ。(幼稚園の保母・女性)
◆六歳の女の子と二歳の男の子の母親です。わが家では、子どもにわくわくするような体験を与えてくれるお父さんと、ぎゅうっと抱きしめることで安心感を与える母親側からの二つのスキンシップのパターンがある。(子育て中の女性)
◆教員の幼稚園実習で感じたのは、お父さんのいない子は男性の保育者に父親を感じて、なついてくる。今の幼稚園に「高い高い」とか、ひげをジョリジョリしてあげられる男の保育者が必要なのではないか。(男子学生)
◆幼稚園などで母子家庭の子にとっては、男性の先生がお父さんのモデル。父子家庭の子には女の先生がお母さんのモデルである。その面からも幼稚園や保育所の先生が全部女性ではなく、男性の先生を大いに養成する施設をつくる必要があるのではないか。(教員経験者の女性)
◆男性の保育士がいればいいなと思う。だが、運営費に含まれる人件費だけで給料を出す現状では、男性保育士が家庭をもって生活するのには厳しい。逆にこちら側がやっていけるだろうかと不安になる。(保育所の園長・女性)
<政治や行政に望むこと>
◆学習障害児(LD)と呼ばれる子どもや、注意欠陥多動性障害児(ADHD)のケアが十分でなく、教員の認識も浅い。教員養成の段階で、そうした子どもにも対応できるようにしてほしい。(養護学校の教員・女性)
◆農家なので田植えや稲刈りの忙しい時期に、午前中だけでも子どもを見てくれる所があれば大変に助かる。(子育て中の女性)
◆子育て中のお母さんを育児ノイローゼから解放するためにも一時保育の充実や相談窓口を増設してもらいたい。(保育所の園長・女性)
◆私学の医学系などの学費が高いため、行けないでいる人がいる。海外への留学についても経済的な理由で断念する場合がある。(男子学生)
◆公明党の活躍で一時保育や延長保育、子育て支援など、いろいろな補助金が出ているが、今後いつまで続くのかと不安がある。(保育所の園長・女性)
◆お母さんが急用の場合、病気をした子どもでも一時的に預(あず)かってくれるような看護婦のいる保育所を増設してほしい。(子育て中の女性)
●名古屋 若いお父さんとの教育ファーラム●
1月28日、名古屋市内で「教育フォーラム」を開催。参加した若いお父さんの発言要旨は次の通りです。(公明新聞から)

<家庭のしつけ>
◆「しつけ」という言葉自体が風化している。何人の人が漢字で「躾」(しつけ)と書けるのか。枠にはめ込むのが「しつけ」という発想に陥(おちい)ると、危険。企業で働いている者の立場からすると、どれだけ子どもとの時間に割(さ)けるのか、日々勝負をかけている。形式ではなく、子どもにかかわる密度や、スキンシップの深さが重要ではないか。(39歳 会社員)
◆「しつけ」というほどのものではないが、子どもとの間で約束事を決めている。親の側からは寝る前に子どもに本を読み聞かせてあげる。その代わり、子どもには生活の中で「おはよう」「おやすみ」「いただきます」というあいさつが、いつも言えるようにしている。(36歳 銀行員)
◆自分自身の子どもの時の体験として、(1)近隣の人には礼儀正しくあいさつする(2)ごはんを残さない(3)他人の家にあがる時は靴を後ろから脱ぐ――ことを父親から教えられた。いずれも大切なことなので、子どもにも受け継いでいる。(37歳 会社員)
<子育て>
◆父親として、子どもの成長過程を正しく認識をしていきたいので、子育てを妻に頼りきりにしないように努めている。先日、子どもから「お父さんとお母さんはなぜケンカをしないのか」と聞かれて、返答に困った。恐らく子どもが通う幼稚園で何かあったのだと思うが、背景については家庭で子どもを見ているだけではつかめない。幼稚園の行事などに積極的に参加して、家の外での子どもの表情や、友達との接し方を知っておくことが大切だと感じる。(35歳 会社員)
◆(地域でカウンセリングの体制を整備することについて)以前、子どもの病気をきっかけに、妻が精神的にまいってしまったことがある。どうすればいいか区役所に相談し、病院などの紹介を受けたが、たらい回しにされ結局、解決にはならなかった。話を聞いてもらうのはいいが、その場で解決できないカウンセリングなら意味がない。(36歳 会社員)
◆子どものいじめも、家庭や親の側に問題がある場合が多い。カウンセリングのような場があれば、子育てに熱心な親は行くだろうが、問題はそういうものに全く無関心な家庭があることだ。児童虐待(ぎゃくたい)などの問題も含め、子育ての資質に欠ける親がたくさんいる。こうした人へのカウンセリング体制を考える必要があると思う。地域社会で、未然に問題の芽を摘(つ)む作業が大切だ。(36歳 会社員)
<いじめ問題>
◆教育に携(たずさ)わる立場も含めて感じることは、子どもは家庭での顔と、こわい先生、こわくない先生の前での顔など、いろいろな顔を使い分けている。いじめについても、表はいい子でも裏ではいい子ではないケースもあり、事実の見極めが難しい。仮にいじめが発覚した場合でも、教師として家庭教育にどこまで入りこめるのか、限界があり常にジレンマを感じる。(36歳 小学校教諭)
<学校教育>
◆家庭の中で二人や三人の子どもを見るのも大変なのに、学校の教師は四十人もの児童・生徒を本当に見ることができるのか。教員の側には、実は四十分の一という考え方があるように思える。キメ細かな学校教育をしてもらうためにも、少人数学級をぜひ実現してほしい。(34歳 自営業)
◆子どもや親が教師や学校を選べる制度を導入すべきだ。(28歳 小学校教諭)
◆教育改革国民会議の提案の中で、道徳教育の推進がうたわれているが、どんな思想や哲学に基づいた道徳を教えるのだろうか。子どもに良い哲学を教えてもらうのはありがたいが、間違った思想なら困る。識者と呼ばれる、子育ての現場から遠い人たちだけで考える道徳教育は心配だ。(33歳 会社員)
◆(奉仕活動について)ボランティアというと、阪神大震災などの大きな災害の支援に行くようなイメージが強い。例(たと)えば、教室で泣いている子をなぐさめるのも立派なボランティア活動であり、教育の中で奉仕活動を身近な問題として教えていくことが大切だ。(31歳 小学校教諭)
■公明党の教育改革の視点について■
(1)手段としての教育から目的としての教育へ個性開花させる知恵創出型の教育を
(2)家庭、地域が支える「開かれた学校」に「教育力の衰弱」が荒廃の本質的要因
(3)国家主義的、戦前回帰的考え方には反対基本法の見直しは慎重に時間をかけて
※公明党の教育政策(1月17日付公明新聞から)
(1)手段としての教育から目的としての教育へ個性開花させる知恵創出型の教育を
今日ほど教育改革に対する国民の関心が高まりを見せている時はないが、そもそも何のための教育改革なのか。21世紀の開幕に当たって国家百年の大計である教育を考える時、この一点こそなおざりにされてはならないキーポイントであると言えます。
まず改革への視点としてまず挙げられているのは「目的としての教育」です。
教育の目的は、本来、人と人との直接的触れ合いの中で互いに教育者となり学習者となって人格の完成をめざすことにある。一人ひとりが持っているかけがえのない個性、無限の可能性を引き出し、はぐくんでいく、それが教育の目的にほかなりません。
しかしながら、20世紀までの教育に対する考え方は、富国強兵や経済大国の実現などのため、言い換えれば教育以外の何かの目標達成のための「手段としての教育」観が一般的であったことは否めません。そして、このような教育を手段と見る考え方が、人間の手段視を正当化し、人間を国家やイデオロギーに隷属(れいぞく)させる人間軽視、生命軽視の風潮を生んだ要因であると言えます。
そうした視点に立って、公明党は、画一的な知識偏重型の教育から、多彩な個性を開花させる知恵創出型の教育へ、「手段としての教育」から、教育自体を目的と位置づける「目的としての教育」へ、今ほど教育の基本に立ち返った改革が必要な時はないと主張しています。
(2)家庭、地域が支える「開かれた学校」に「教育力の衰弱」が荒廃の本質的要因
公明党は、教育改革への基本的視点として、更に「家庭、地域が支える『開かれた学校』」の構築を挙げています。いじめ、不登校、学級崩壊、学力低下…など教育の荒廃現象は、価値観を見失った大人社会の反映であり、単に学校教育のみならず家庭そして地域など社会全体の「教育力の衰弱の問題」として捉(とら)えないと、その本質を見誤ることになると考えるからです。
社会全体の教育力の衰弱をもたらした要因は、教育もしつけも学校まかせという戦後日本の学校依存的体質が家庭や地域の教育力を著しく低下させたことにあります。今こそ、「子どもの最初の教師は両親である」との原点に立ち返り、また地域社会そのものが学びの場であるとの視点に基づいて、教師を中軸に地域社会も保護者も一体となって支える「開かれた学校」へと質的転換を図っていかなければなりません。
そのような考え方に立って、公明党は、具体的に、学校の情報公開制度の確立や学校評議会の設置などを柱とする「学校運営改革」を提唱。この公明党の主張は、「教育改革国民会議」の最終報告にも盛り込まれました。
学校情報公開制度は、学校がどのような教育を行っているかを保護者、児童生徒、地域住民に知ってもらうための制度であり、また学校ごとに父母、卒業生、地域代表などで構成する学校評議会は、学校運営や教育効果を評価し教育委員会や学校に意見具申するシステムです。いずれも、学校、地域、家庭の連携、対話を通し「開かれた学校」を構築する上で欠かせない制度と言えます。
(3)国家主義的、戦前回帰的考え方には反対 基本法の見直しは慎重に時間かけて
「教育改革国民会議」の最終報告には、公明党の主張、提案が随所に反映されている。
最終報告は、今後の教育改革に取り組む視点として(1)子どもの社会性を育み、自立を促し、人間性豊かな日本人を育成する教育の実現(2)一人ひとりの持って生まれた才能を伸ばすとともに、それぞれの分野で創造性に富んだリーダーを育てる教育システムを実現(3)新しい時代にふさわしい学校づくりと、そのための支援体制の実現――の3点を提示しているが、こうした改革への視点は妥当なものと評価できます。
しかし、その一方で、最終報告は、教育基本法の見直しの必要性にも触れている。見直しについて最終報告は、「国家至上主義的考えや全体主義的なものになってはならない」としていますが、神崎代表は、1月8日の横浜での「教育対話」においても、「これ(見直し論議)を機会に国家主義的な考え方、全体主義的な考え方、戦前回帰的な考え方を持ち込むことについては、絶対に反対だ」とし、教育基本法の見直しについては「慎重に十分な時間をかけて行うべきだ」と強調しました。
また、神崎代表は、「教育改革国民会議」が提言した奉仕活動についても、「嫌がることを強制してはならない」とする憲法規定との整合性の必要性を指摘。更に、国公立の学校に宗教教育を持ち込む問題については、「教育基本法の『教育活動は公権力から中立でなければならない』との考え方との整合性を考えると、国公立の学校に宗教教育を持ち込むことには反対」との考えを表明しました。
昨年11月の第3回公明党全国大会で採択された重点政策は、「教育改革への基本的考え方」として、前述した「目的としての教育」「家庭、地域が支える『開かれた学校』」などとともに、「教育の政治的中立性の重要性」「教育基本法についての考え方」を示しています。
重点政策も強調しているように、教育基本法そのものは日本国憲法制定を契機に制定され、その精神において現憲法と軌を一にしており、特に、教育の目的を「人格の完成」と規定したこと、教育が政治から中立でなければならないとしたことなどは、永遠に目指すべき指針として堅持されるべきものです。
この点に照らし、教育改革論議に国家主義的、全体主義的、戦前回帰的な考え方を持ち込むことは、教育基本法や日本国憲法の精神をゆるがせにするものと言わざるを得ません。教育改革論議においては、何のための改革なのか、教育本来の目的を見据えた真しな議論が望まれます。


■公明党の第1次教育改革提案■
1月24日、公明党教育改革推進本部の浜四津敏子本部長(代表代行)らは二十四日、首相官邸で森喜朗首相に会い、教育対話に基づく第一次教育改革提案・4項目を申し入れました。
(1)夜間通信制大学・高校の強化充実と学費負担の軽減
夜間大学は、財政難から昼夜開講制を採用し、夜間部の授業料負担軽減措置が廃止の流れとなっている。働きながら学ぶ勤労学生や社会人のリカレント教育の機会を広く保障するため、大学のみならず高校についても夜間、日曜開講、及び通信制教育の強化充実と学費減免措置・奨学金貸与の特別措置を検討すべきである。
(2)日本語教師の養成と配置の充実
外国人労働者の増加と国際交流の進展により、日本語教育の必要性は高まる一方である。しかし、日本語教育の専門家の養成と適正な配置が遅れている。世界に信頼される日本とするために、日本語教師養成体制の強化と配置の充実を急ぐべきである。
(3)教育相談センターの拡充
深刻化を増す青少年問題の背景に、人間関係の希薄(きはく)化の流れの中で、若い両親や子どもが孤立し、相談できる環境に乏しいことが指摘されている。
各市町村における教育相談窓口の拡充支援のみならず、NPO法人等の教育相談に取り組む民間組織の支援を積極的に行うべきである。
(4)ボランティアセンター(仮称)の設置及び既存のボランティア団体への支援強化
ボランティアに意欲や能力をもつ人のために、活動に関して情報提供やコーディネイトするボランティアセンター(仮称)を早急に整備するとともに、各地域でボランティア活動に取り組んでいる団体への支援を強化すべきである。
●関連リンク●
■文部科学省■
http://www.mext.go.jp/
■東京都教育委員会■
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/
■チャイルド・リサーチネット■
http://www.crn.or.jp/
■日本教育新聞 ■
http://www.kyoiku-press.co.jp/
■yahoo!学習情報 ■
http://edu.yahoo.co.jp/
